別府中学校 武道場
稽古日 稽古時間 対象
水曜日 19:00 ~ 19:50 年少部・一般部
20:00 ~ 21:00 一般部
土曜日 19:00 ~ 19:50 年少部・一般部
20:00 ~ 21:00 一般部


2012年04月02日

葉問(イップ・マン)

先日、久しぶりにレンタルビデオ屋さんに行きました。
そこで目に留まったのが『葉問(イップ・マン)』!
よくできた作品だと思います。良い意味で遊びが無く、真面目に作られています。
中でも10人相手に試合(というよりも、ほぼ殺し合い)をする場面は見惚れますメロメロ
「構え」の1つが合気道の「構え」にも似ています。

『葉問(イップ・マン)』。
あまり聞き覚えがないかも知れませんが、彼は詠春拳(えいしゅんけん)の大師ですね。
詠春拳は基本的に近接戦闘での打撃を真髄としている武術で、
基本的に重心を後ろ足に多くおき、直線的な手技や低い蹴り技を多用します。

大きく振り回す手技や回し蹴りなどは用いず、相手の両手を封じてしまう技術や、
攻撃をかわしカウンターパンチを入れるなどのテクニックに優れています。
ブルース・リーもこの葉問から学んでおり、その打撃技には詠春拳の要素が垣間見えます。

さて、葉問派の稽古法の1つに「黐手(チーサオ)」と呼ばれるものがあります。
お互いの拳を接触させた状態で攻防を繰り広げるものがあり、
これによって鋭敏な皮膚感覚を養っていくようです。

このトレーニングで大切なことは、
・常に動き続けること!
・そして無駄な力は入れないこと!

う~んキョロキョロ 、どこかで聞いたようなセリフ。
そう、稽古時や審査前にも良く聞きますね。
・止まるな、動き続けろ! 途中でやめるな!
・もっと力を抜いて!

この「黐手(チーサオ)」、
あるレベルに達すると目隠しをしていても相手の動きがわかるとか。
目で追えばその情報が脳に伝達されて処理されるまでにタイムラグが生じます。
ところが皮膚感覚で動けば、思考していないために処理時間を短縮することが出来ます。

考えて稽古して、感覚を研ぎ澄まして白紙の頭で動く

人間は放っておいても歩けるようになります。
ハイハイしている赤ん坊から物に掴まって立ち上がり、
本当はバランスをとることが非常に難しい二足歩行で平気に歩きます。
な~んにも考えていません。そのようにならなければいけないのでしょうね。
稽古しかない! 近道はありません。

最後に、素早い連続打撃で最短距離を打ち抜くスタイルが実戦的で魅力的な詠春拳ですが、
なんと厳詠春という女性が創設したそうです。
詠春拳の動きを見ていると、とても綺麗で優雅なイメージを受けました。
この俳優さん自身も詠春拳を習われているのでしょう。

ふと、以前に聞いたこんな言葉を思い出しました。

「道を究め、精神性が高まった者は、女性的な柔らかさと優雅さを醸すようになる」

実戦的でありながら優雅で美しい。自分の合気道も、いつかはそのようでありたいです。

葉問(イップ・マン)

葉問(イップ・マン)

葉問(イップ・マン)



Posted by 道場生 at 11:54│Comments(0)
 
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